輸出入の貨物保険にご注意を!

2020.02.01 弁護士吉田伸哉

Q 海外輸出のため当社製品に外航貨物保険をかけ、海貨業者にコンテナヤードまでの港湾運送・通関を依頼し上屋で保管中、台風の高潮で当社製品は全損となりました。①外航貨物保険は適用されない、②海貨業者は故意・重過失以外は責任を負わない、というのは本当でしょうか。

A 近時、台風による高潮等により輸出のために港湾運送業者(海貨業者)・倉庫業者で保管中の貨物が損傷する事故によるトラブルが増えています。

貨物の輸出入の場合には、外航貨物保険に入っているのが通常ですが、コンテナヤード等へ搬入前の港湾運送業者の上屋・倉庫業者の倉庫では、「輸送の開始のために輸送車両等に貨物を直ちに積み込む目的で貨物が動かされない限り」保険の対象外とされています(協会貨物約款(A)8.1.1)。

そのため輸出FOB保険や国内の貨物保険に別途加入しておくことが重要です。これらの保険に加入していない場合には、本件のような場合、保険ではてん補されないからです。保険で対応できない場合、港湾運送業者・倉庫業者に対して損害賠償を請求したいところですが、これらの業者は「約款」で、過失があったとしても故意または重過失がない限り責任を負わないと規定していますので責任追及は極めて困難です。但し、倉庫業者が火災保険に入っている場合等は填補される可能性があります。

以上は、兵庫県の西宮商工会議所報「Report」2020年2月号に掲載された記事です。

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